交通事故が犯罪になるのはどんな場合?どんな刑が科せられる?

交通事故に関するニュースが非常に多い昨今。芸能人の起こした交通事故・あおり運転・高齢のドライバーによる交通トラブルなど、毎日のように新聞やニュースで交通事故に関する問題が報じられていますね。交通事故はどんな場合でも犯罪になるわけではありません。

ここでは、交通事故が犯罪になるケースはどんな場合か、どんな刑が処せられるのか、説明していきましょう。

犯罪が成立するのはどんな場合?

交通事故には、大きく分けて「物損事故」と「人身事故」があります。「物損事故」とは、車・施設・建物など、物を破壊してしまった場合の事故です。この場合、犯罪とはなりません。ただし、当て逃げ・飲酒運転・無免許運転・スピード違反などに該当する場合、道路交通法違反となるので物損事故であっても犯罪が成立します。

一方、「人身事故」とは、人を負傷させてしまった場合の事故です。これは、軽いけがであっても犯罪が成立する可能性があります。さらに、相手を死傷させてしまった場合には、刑事事件として扱われるでしょう。では、どのような犯罪が成立するのでしょう。

適用される可能性がある法律としては、自動車運転処罰法もしくは、道路交通法の2つがあります。

人身事故の後、自動車運転処罰法が適用され成立する犯罪

人身事故を起こした場合、自動車運転処罰法が適用され「過失運転致死傷罪」に問われる可能性があります。これは、不注意によって起こしてしまった交通事故により、相手をけがさせたり、死亡させてしまった場合に成立する犯罪です。

信号無視・脇見運転・巻き込み事故・前方不注視など、大抵はこの犯罪が成立します。刑罰として、「7年以下の懲役または禁錮、もしくは100万円以下の罰金刑」と規定されています。加えて、さらに悪質な運転による人身事故の場合、同じく自動車運転処罰法が適用され「危険運転致死傷罪」に問われる可能性があります。

これは、故意と同じほどに悪質で危険な運転をし、被害者を死傷させた場合に成立する犯罪です。飲酒運転・薬物を服用し正常な運転ができない状態で引き起こした人身事故・高速で赤信号の交差点に突っ込むケースなど、この犯罪が成立します。

刑罰として、「被害者がけがをした場合、15年以下の懲役刑」「被害者が死亡した場合、1年以上の有期懲役刑。懲役の限度は20年まで」と規定されています。

人身事故の後、道路交通法が適用され成立する犯罪

道路交通法とは、車両を運転する人が守るべきルールを定めた法律のことです。交通事故を起こした場合、自動車運転処罰法に加えて、道路交通法によっても処罰されます。例えば、道路交通法は加害者に対してけが人を救護すべき「救護義務」と、後続車に危険を知らせて二次被害を防ぐための「危険防止措置義務」を課しています。

事故を起こした後にこうした対応をしない場合、救護義務違反・危険防止措置義務違反となり処罰されます。刑罰は、「10年以下の懲役、または100万円以下の罰金刑」と規定されています。また、道路交通法は交通事故の当事者に対して、「警察への通報義務」を課しています。

通報を怠ると、報告義務違反となり罰則が科されます。罰則は「3か月以下の懲役、または、5万円以下の罰金刑」と規定されています。この「警察への通報義務」は人身事故だけでなく、物損事故にも適用されるので注意しましょう。

さらに、無免許運転も、道路交通法違反となります。有効な運転免許を取得していないにも関わらず車両を運転した場合、次のように処罰されます。「3年以下の懲役、または50万円以下の罰金刑」。ちなみに、有効な運転免許は取得しているが不携帯であった場合、「免許証不携帯罪」となり3,000円の罰金刑が科されます。

最後に、スピード違反も道路交通法違反に該当します。一般に、10キロ前後の超過なら問題はないなどと言われますが、道路交通法上は1キロでも制限速度をオーバーしていたなら法律違反となるのです。しかし、軽いスピード違反ならわざわざ逮捕されないことが多いため、多少のスピードオーバーなら大丈夫と勘違いしてしまうのですね。

ただし、スピード違反は本来道路交通法違反ですから、たとえば交通事故を起こした場合にスピード違反もしてしまっていると、適用される刑罰は重くなってしまうでしょう。

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飲酒運転は絶対にしない

毎年、飲酒運転や酒気帯び運転による死傷事故は後を絶ちません。この飲酒・酒気帯び運転が重大な犯罪であることを定めているのも、道路交通法です。飲酒運転には、2種類あります。まず、「酒酔い運転」です。これは、酒に酔った状態、つまり、アルコールの影響により正常な運転ができない状態で車両を運転した場合です。

具体的な検査として、直線の上をまっすぐ歩けるかどうか、また、言語などから判断・認知能力の低下がないか、などを調べます。もう一つが、「酒気帯び運転」です。これは、酩酊状態は認められないものの、検査の結果体内に一定基準以上のアルコールを保有していた場合です。

具体的な検査として、警官がアルコール検知器を使って、運転者の呼気中にどれだけのアルコールが含まれているかを測定します。呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15mg以上検出された場合、酒気帯びと判断されます。

だいたい缶ビール一本を飲めば、基準値に達するでしょう。それぞれ、刑罰では次の通りに定められています。酒気帯び運転は「3年以下の懲役。または、50万円以下の罰金刑」。酒酔い運転は「5年以下の懲役、または、100万円以下の罰金刑」。

事故を起こした場合は、必ず警察に連絡する

日本における、ひき逃げの検挙率の高さは驚くべきものです。実に、ひき逃げの半数以上が、警察の捜査で検挙されているのです。被害者が重傷を負った場合には、警察の捜査はさらに本格化し検挙率はおおよそ75%にのぼります。

また、被害者が死亡した場合には、なんと95%以上の確率で犯人が検挙されているのです。ですから、交通事故を起こしてそのまま逃げおおせるとは考えない方がいいでしょう。しかも、交通事故は重大な事故であればあるほど検挙率が上がるのです。

最近では、監視カメラの設置された地域も多くなり、警察の捜査にも大いに貢献しています。引き続き、車を運転するときには安全運転を厳守しましょう。万が一、事故を起こしてしまった場合には、すぐに警察に連絡を入れることも肝に銘じておきましょう。